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Gemini 3.5 Flashの導入判断:Vertex AIで見るモデルID・価格・移行前チェック

Gemini 3.5 Flashの導入判断で確認するモデルID、価格、互換性、移行順を示す抽象サムネイル

追記: 2026年6月12日の最新情報

2026年6月12日に公式ドキュメントを再確認しました。Gemini 3.5 Flashは、モデルID gemini-3.5-flash のGA/stableモデルとして案内されており、1M token context、65k max output tokens、thinking、Batch API、Context Caching、File Search、Code execution、URL context、Search grounding、Grounding with Google Mapsをサポートします。一方で、Computer Useは現時点で非対応です。

  • 料金ページでは、Gemini 3.5 FlashのStandardはPaid Tierで入力100万tokenあたり1.50ドル、出力100万tokenあたり9.00ドルです。BatchとFlexは入力0.75ドル、出力4.50ドル、Priorityは入力2.70ドル、出力16.20ドルとして示されています。GroundingはGoogle SearchとGoogle Mapsで、無料枠後に1,000 search queriesあたり14ドルの課金条件が示されています。
  • What’s newページでは、Gemini 3 Flash Previewからの移行時に、デフォルトのthinking effortがhighからmediumへ変わった点、thinking_budgetよりthinking_levelを使う点、関数呼び出しの応答でidnameを一致させる点が注意点として示されています。
  • リリースノートでは、2026年6月1日にgemini-2.0-flashgemini-2.0-flash-001gemini-2.0-flash-litegemini-2.0-flash-lite-001が停止済みです。古いIDを残している場合は、3.5 Flashだけでなく、低コスト用途の3.1 Flash-Liteも比較対象に入れてください。

参考: What’s new in Gemini 3.5 FlashGemini 3.5 Flash model pageGemini API pricingGemini API release notes

このテーマをもう少し広げて見るなら、GKE Inference Gatewayのprefix caching:LLM推論を速くする前に確認するルーティング条件Google Cloud DORAのAI支援開発ROI:Gemini Code Assist導入前に見るJ-Curveと費用 も合わせて確認してください。モデル単価だけでなく、推論ルーティングやキャッシュによる運用コストも一緒に確認できるため。

3行まとめ

VisualGemini 3.5 Flashで最初に押さえる3点導入前に確認したいモデルの位置づけ、運用コスト、移行期限を整理します。
本番候補

Gemini 3.5 FlashはGA / stableとして案内されるFlashモデル。モデルIDは `gemini-3.5-flash` でそろえます。

運用単価

入力単価だけでなく、出力、thinking tokens、Grounding、Batch / Flex / Priorityまで含めて見ます。

段階移行

`gemini-2.5-flash` には2026年10月16日のshutdown dateがあり、評価セットとカナリア検証を前倒しします。

新モデルの評判だけで決めず、固定ID、公式価格、停止予定、評価結果を同じ表で確認します。

  • Gemini 3.5 Flashは、Google AI for Developersの公式ドキュメントでGA、stable、本番規模で使えるFlashモデルとして案内されている。モデルIDは gemini-3.5-flash で、Vertex AI側ではGemini Enterprise Agent Platform表記のドキュメントから確認する場面が増えている。
  • 導入判断では、性能の評判より先に、価格、出力単価、thinking tokens、Grounding、Batch/Flex/Priority、Computer Use非対応、thinking_level への移行、function callingの差分を見る必要がある。
  • 2026年6月9日時点の公式情報では、gemini-2.5-flash のshutdown dateは2026年10月16日、推奨置換先は gemini-3.5-flash。ただし、全ワークロードを一気に置き換えるより、評価セットとカナリア検証で段階移行する方が安全だ。

Google Cloudの2026年6月2日付け月次AIまとめでは、Gemini 3.5、Gemini Omni、Google Antigravity、Gemini Spark、Managed Agents API、CodeMenderなどが並んだ。中でもGemini 3.5 Flashは、開発者や導入企業にとって単なる新モデル名ではない。既存のGemini利用をどう更新するかという、かなり実務的なテーマになる。

この記事では、Gemini 3.5 FlashをVertex AI、Gemini API、Google Gen AI SDKの文脈で使う前に、どの公式ページを開き、何を確認すればよいかを整理する。価格やモデルライフサイクルは変わりやすいため、本文中の数値は2026年6月9日(JST)確認時点の公式情報として読んでほしい。

すでにVertex AIの生成AI SDK移行を追っている場合は、公開済みの「Vertex AI生成AI SDKの移行期限:Google Gen AI SDKへ切り替える確認点」も合わせて確認しておくと、API経路、SDK、認証の話をつなげやすい。

Gemini 3.5 Flashは何が変わったモデルか

Visual導入判断で見る5つの軸ベンチマークの勝ち負けより先に、実装と運用に効く確認点を並べます。
モデルID

`gemini-3.5-flash` をコード、環境変数、ログ、コスト集計で同じ表記にそろえます。

安定性

GA / stableとして本番規模で使える候補か、Previewモデルと分けて確認します。

価格

入力、出力、thinking、Grounding、キャッシュ、優先処理を含めて試算します。

互換性

入力種別、出力上限、tool use、function calling、Computer Use非対応を確認します。

検証順

最小API呼び出し、評価セット、コスト試算、カナリア、監視の順に進めます。

記事内の比較は、モデルの優劣ではなく、自社ワークロードに入れられるかを判断するための材料です。

Gemini 3.5 Flashは、Googleが2026年5月19日に発表したGemini 3.5ファミリーのFlashモデルだ。Google公式ブログでは、Gemini 3.5を「frontier intelligence with action」という文脈で説明し、エージェント的な実行、コーディング、長い作業の継続に向く方向性を打ち出している。

導入判断では、「新しい」「賢い」という表現だけでは足りない。開発者や導入企業が最初に押さえるべきなのは、次の5点だ。

確認軸まず見ること判断の意味
モデルIDgemini-3.5-flashコード、環境変数、管理画面、評価ログで同じIDを使う
提供状態GA / stablePreviewから本番候補へ移すかを検討する
価格入力、出力、Batch、Priority、Grounding単価だけでなく出力量とthinking tokensを見る
互換性入力、出力、tool use、Computer Use既存のfunction callingやツール呼び出しが壊れないかを見る
検証順評価セット、カナリア、監視いきなり全面切替せず、戻せる状態で試す

公式ドキュメント上の位置づけ

Google AI for Developersの「What's new in Gemini 3.5 Flash」は、Gemini 3.5 FlashをGA、stable、本番規模で利用できるモデルとして説明している。同じページでは、Gemini 3.5 Flashを、Gemini 3 Flash PreviewからGA安定性と推論改善を求めて移行する候補として示している。

一方で、Gemini 3.1 Flash-Liteは、低コストで大量の処理をこなしたい場合の候補として案内されている。つまり、Flash系だからといって、すべての用途で3.5 Flashが最適とは限らない。高度な推論や長い作業、agentic codingを重視するなら3.5 Flash、低単価と大量処理を優先するならFlash-Lite、検証中の機能を見たいならPreviewというように、用途を分けて読む必要がある。

Vertex AIで見るときの表記差

Google Cloud側の生成AIドキュメントは、Vertex AIからGemini Enterprise Agent Platformへ表記が寄っている。読者が検索すると、以前のVertex AI URLからGemini Enterprise Agent Platformのページへたどり着くことがある。

これは、Vertex AIでGeminiを使えなくなったという意味ではない。Gemini Developer APIとGemini Enterprise Agent Platformは、どちらもGoogle Gen AI SDKから扱えるように整理されている。Google Cloud側では、プロジェクト、請求、IAM、監査、リージョン、企業向け管理の観点が強くなる。個人開発や初期検証ならGemini Developer API、企業の本番運用ならCloud側の統制まで含めて見る、という切り分けが現実的だ。

ベンチマークより先に見ること

専門メディアやコミュニティでは、Gemini 3.5 Flashの価格、スピード、3 Flash Previewとの差、2.5 Flashからの移行可否が話題になっている。これは読者需要のシグナルとして有用だが、事実認定には使いすぎない。

本番導入で必要なのは、自社の入力、出力、ツール呼び出し、失敗時の再試行、ユーザー影響を同じ評価セットで比べることだ。モデル発表時のベンチマークは方向性を知る材料であり、自社の問い合わせ対応、社内検索、コード生成、分類、要約、エージェント実行で同じ結果になるとは限らない。

モデルIDとライフサイクルを先に確認する

Visualモデル別に見る移行優先度いま使っているモデルごとに、停止予定や推奨置換先を分けて確認します。
項目内容見方
`gemini-2.5-flash`2026年10月16日にshutdown予定。推奨置換先は `gemini-3.5-flash` で、移行検証を優先します。
`gemini-2.5-flash-lite`2026年10月16日にshutdown予定。低コスト大量処理ではLite系の置換先も確認します。
`gemini-2.5-pro`Pro用途をFlashへ置き換えるかは、品質、出力単価、再実行コストを個別評価します。
`gemini-3-flash-preview`Previewから本番安定性へ寄せたい場合、Gemini 3.5 Flashを比較対象に入れます。
`gemini-3.5-flash`GA / stable。2026年5月19日releaseで、新規本番候補として評価セットを通します。

shutdown dateがあるモデルは期限管理、停止予定がないモデルは性能、コスト、互換性、運用負荷の比較として扱います。

Gemini 3.5 Flashを試すとき、最初に固定すべきなのはモデルIDだ。公式ドキュメント上のモデルIDは gemini-3.5-flash。コード内、環境変数、管理画面、評価ログ、コスト集計、監視ダッシュボードで同じ表記にそろえる。

latest ではなく固定IDを基本にする

新モデルの検証では、latest 系のエイリアスを使いたくなる。短期の試作では便利だが、監査が必要な本番では、何月何日の結果がどのモデルで出たのかを追えなくなる可能性がある。

少なくとも、品質評価、カナリア、A/Bテスト、顧客向け本番処理では、固定モデルIDを基本にしたい。latest を使う場合も、日次でモデル解決結果をログ化し、出力品質やコスト変化と合わせて追うべきだ。

2.5 Flashの推奨置換先として見る

Gemini deprecationsページでは、gemini-2.5-flash のrelease dateが2025年6月17日、shutdown dateが2026年10月16日、recommended replacementが gemini-3.5-flash とされている。これは、2.5 Flash利用者にとって、3.5 Flashを検証対象に入れる明確な理由になる。

ただし、gemini-2.5-pro を使っている場合は話が別だ。2.5 ProはPro系の品質や用途を前提に選んでいる可能性がある。3.5 Flashが高性能でも、Pro代替として全面採用するなら、回答品質、複雑な推論、長い文脈、出力単価、再実行コストを別に比較する必要がある。

モデル別の確認表

いま使っているモデル公式情報で見る状態この記事での扱い
gemini-2.5-flash2026年10月16日にshutdown予定。推奨置換先は gemini-3.5-flash移行検証を優先したい
gemini-2.5-flash-lite2026年10月16日にshutdown予定。推奨置換先は gemini-3.1-flash-lite低コスト大量処理なら3.5ではなくLite系も見る
gemini-2.5-proVertex AI lifecycleでは2026年10月16日以前のretirementはないPro用途をFlashへ置き換えるかは個別評価
gemini-3-flash-previewPreviewとして継続利用可能。3.5 Flashへの移行が推奨される文脈がある本番安定性を求めるなら移行候補
gemini-3.5-flashGA / stable。Vertex AI lifecycleではrelease dateが2026年5月19日、retirement date未発表新規本番候補。ただし評価セット必須

ここで大事なのは、shutdown dateが近いモデルと、単に新旧比較したいモデルを分けることだ。停止予定があるなら、移行は期限管理になる。停止予定がないなら、性能、コスト、互換性、運用負荷の比較として扱う。

価格は入力単価だけでなく運用単価で見る

Visual処理タイプ別に見るコスト要因同じモデルでも、使い方によって見るべき料金項目は変わります。
項目内容見方
Standard通常のオンライン応答、社内ツール、初期本番運用。入力、出力、キャッシュ、Groundingを見ます。
Batch / Flex夜間評価、ログ要約、大量分類、非同期レポート。単価だけでなく納期と再実行を見ます。
Priority重要ユーザー向け、SLOが厳しい応答、混雑時の安定性。高い単価を許容できるか確認します。
GroundingGoogle SearchやMapsを使う場合、無料枠後の検索クエリ単位の課金も試算に入れます。
Thinkingthinking tokensは出力価格に含まれるため、品質、レイテンシ、トークン量を一緒に記録します。

月間リクエスト数、平均入力、平均出力、thinking設定、会話履歴、Grounding利用率、Batch比率を同じ試算に入れます。

Gemini 3.5 Flashの価格を見るとき、入力単価だけで「高い」「安い」と判断すると危ない。生成AIの費用は、入力、出力、thinking tokens、長い会話履歴、ツール呼び出し、Grounding、キャッシュ、バッチ処理、優先処理の組み合わせで決まる。

Gemini Developer APIの基本価格

根拠

Google AI for Developersのpricingページでは、Gemini 3.5 FlashのPaid Tier Standardは、入力が100万トークンあたり1.50ドル、出力が100万トークンあたり9.00ドルとされている。出力価格にはthinking tokensが含まれる。

Batchでは、入力が100万トークンあたり0.75ドル、出力が100万トークンあたり4.50ドル。Context cachingは、キャッシュ入力価格と保存価格が別に示されている。Grounding with Google SearchとGrounding with Google Mapsは、Paid Tierで月5,000 promptsまたはrequestsの無料枠があり、その後は検索クエリ単位で課金される。

注意点

Free Tierでは、価格表上は無料だが、Googleのプロダクト改善に使用される扱いがPaid Tierと異なる。業務データ、顧客データ、非公開コードを扱う検証では、無料枠の有無だけでなく、データ利用条件を必ず確認したい。

Vertex AI / Cloud側の価格

確認項目

Google Cloud側の価格ページでは、Standard、Flex/Batch、Priorityの区分がある。2026年6月9日時点の公式表では、Gemini 3.5 FlashのStandardは、Globalで入力100万トークンあたり1.50ドル、出力100万トークンあたり9.00ドル。Non-globalでは別単価が示されている。

Flex/Batchは、Globalで入力0.75ドル、出力4.50ドル。Priorityは、Globalで入力2.70ドル、出力16.20ドル。これらは「速く・優先的に返したい処理」と「夜間や非同期で安く回したい処理」を分けるための材料になる。

処理タイプ向いている使い方見る価格
Standard通常のオンライン応答、社内ツール、検証から本番の初期運用入力、出力、キャッシュ、Grounding
Batch / Flex夜間評価、ログ要約、大量分類、非同期レポート半額相当の入力・出力、納期、失敗時再実行
Priority重要ユーザー向け、SLOが厳しい応答、混雑時の安定性高い単価を許容できるか
Free Tier個人検証、最小サンプル、概念実証データ利用条件、制限、商用利用の可否

コストが上振れする場所

上振れ条件

3.5 Flashのコストで見落としやすいのは、出力側だ。入力が短くても、回答が長い、reasoningが深い、ツール呼び出しで何度も往復する、Groundingで検索を使う、会話履歴を毎回含める、といった条件が重なると、月額は上がる。

特に、エージェント的なワークロードでは、1回のユーザー指示が、複数のモデル呼び出し、複数のfunction calling、複数の外部検索に分解される。見かけ上は1リクエストでも、裏側では何回分もの入力・出力・ツール費用が発生することがある。

コスト試算で残す項目

確認項目

移行前の試算表には、少なくとも次の項目を入れたい。

  • 月間リクエスト数
  • 1リクエストあたりの平均入力トークン
  • 1リクエストあたりの平均出力トークン
  • thinking levelまたはthinking budgetの設定
  • 会話履歴を何ターン保持するか
  • Grounding with Google SearchまたはMapsの利用率
  • function callingの平均回数
  • Batch/Flexへ逃がせる比率
  • 失敗時の再試行回数
  • 旧モデルへ戻す場合のfeature flag

ここまで見ると、問いは「Gemini 3.5 Flashは高いか安いか」から、「どの処理に使えば費用対効果が合うか」へ変わる。

対応入力、出力、ツール互換性を確認する

Visual互換性で事故を避ける確認表入力、出力、thinking、ツール利用で、移行時に壊れやすい前提を確認します。
項目内容見方
入力Text、Code、Images、Audio、Video、PDF。API経路ごとの制限やファイルサイズも見ます。
出力出力はText。JSON出力、構造化出力、長文出力の失敗率を評価します。
Thinking`thinking_level` が推奨。`thinking_budget` と同じリクエストで併用しないよう確認します。
Function Callingid、name、responseの整合と、マルチターンでのthought signatures保持を確認します。
Built-in toolsSearch、Maps、File Search、Code Execution、URL Contextは課金、権限、ログを見ます。
Computer UseGemini 3.5 Flashでは非対応。依存している場合は別モデルや別経路を確認します。

互換性の比較では単純な勝敗ではなく、既存実装が前提にしている機能との差分を確認します。

Gemini 3.5 Flashはマルチモーダル入力に対応する。Google Cloudのモデルページでは、Text、Code、Images、Audio、Video、PDFが入力として示され、出力はText。トークン上限は、最大入力1,048,576トークン、最大出力65,535トークンとされている。

Google AI for DevelopersのFAQでは、1 million token input context windowと最大65k output tokensという表現が使われている。表記の粒度は違うが、本文ではAPIやCloudの最新ドキュメントを優先し、実装時には自分が使うAPI経路のページで再確認するのが安全だ。

対応ツール

確認項目

公式FAQでは、Gemini 3.5 FlashがGoogle Search、Grounding with Google Maps、File Search、Code Execution、URL Context、標準のFunction Calling、combined tool useに対応すると説明されている。エージェントや社内業務ツールを作る読者にとって、これは重要な確認点だ。

注意点

一方で、Computer UseはGemini 3.5 Flashではサポートされていない。画面操作やブラウザ操作を前提にしたワークロードを組んでいる場合、3.5 Flashへそのまま置き換えると、実装上の前提が崩れる可能性がある。

互換性項目Gemini 3.5 Flashで見ること事故を避ける確認
入力Text、Code、Images、Audio、Video、PDFAPI経路ごとの制限、ファイルサイズ、解像度
出力TextJSON出力、構造化出力、長文出力の失敗率
Thinkingthinking_level 推奨、thinking_budget は後方互換両方を同じリクエストで使わない
Function Callingid、name、responseの整合マルチターンでthought signaturesを保持する
Built-in toolsSearch、Maps、File Search、Code Execution、URL Context課金、権限、ログ、外部データ利用
Computer Use非対応依存している場合は別モデルや別経路を見る

thinking_budget から thinking_level

評価基準

What's newページのFAQでは、古い thinking_budget コードは後方互換として動くが、より予測しやすい性能のために thinking_level への移行が推奨されている。移行時には、同じリクエストで thinking_budgetthinking_level を併用しないことも確認する。

この差分は、コストにも品質にも関わる。thinkingを強めれば、難しい推論や長い作業では改善する可能性がある一方、出力価格に含まれるthinking tokensが増え、応答時間も変わる可能性がある。移行テストでは、同じ評価セットを複数のthinking設定で回し、品質、レイテンシ、トークン量を一緒に記録したい。

Function callingとthought signatures

確認項目

Gemini 3.x系では、function callingのマルチターン処理でthought signaturesの扱いが重要になる。公式SDKは多くを自動管理するが、独自に履歴を加工している実装や、途中のcontentを削る実装では、必要な情報を落としてエラーになる可能性がある。

また、function responseではidやnameの対応が崩れると、モデル側がどのツール結果を受け取ったのか判断しにくくなる。Gemini 3.5 Flashへの移行を「モデル名だけ変える作業」と見ない方がよい理由はここにある。

今すぐ切り替えるケース、待つケース

Visual移行判断フロー現在のモデル、停止予定、ツール依存、評価結果、コスト制約から出口を分けます。
  1. 11. 現在のモデルを確認

    2.5 Flash、3 Flash Preview、2.0系、Pro用途を同じ扱いにせず、まず利用中のIDを固定します。

  2. 22. 停止予定を見る

    shutdown dateやPreview依存があれば、移行検証を早めに始めます。

  3. 33. ツール依存を分ける

    Computer Useや特殊なツール依存がある処理は、即時置換の対象から外して確認します。

  4. 44. 評価セットを通す

    品質、失敗率、function calling、Grounding、セーフティブロックを既存モデルと比べます。

  5. 55. コストとp95を見る

    月額コストとp95レイテンシが許容内なら、カナリアで段階リリースします。

すぐ切り替える、併用する、待つ、別モデルを見る、の判断は評価結果と運用条件で分けます。

Gemini 3.5 Flashは、本番候補として見られるモデルだ。ただし、すべての処理にすぐ使うべきという意味ではない。判断は、現在のモデル、停止予定、品質要件、コスト制約、ツール依存で分ける。

切り替えを優先しやすいケース

まず、gemini-2.5-flash を本番で使っている場合は、2026年10月16日のshutdown dateがあるため、移行検証を前倒ししたい。まだ数か月あるように見えても、評価セット作成、コスト試算、社内承認、カナリア、監視、ロールバック手順まで含めると、余裕はすぐに減る。

次に、gemini-3-flash-preview を検証で使っていて、本番へ寄せたい場合。公式ドキュメントは、GA安定性と改善された推論を求める場合に3.5 Flashへの移行を案内している。Previewのまま本番要件を満たそうとしているなら、3.5 Flashを比較対象に入れる価値がある。

さらに、agentic coding、長い調査、複数ステップの業務支援、社内ナレッジ検索とツール呼び出しを組み合わせる処理では、3.5 Flashの強みが出やすい可能性がある。ただし、これは公式の方向性から見た仮説であり、自社評価なしに断定はできない。

待つ、併用する、別モデルを選ぶケース

大量の単純分類、短い定型要約、低単価が最優先の処理では、3.1 Flash-Liteや既存の低コストモデルの方が合う可能性がある。3.5 Flashを使う理由が「新しいから」だけなら、コスト増を説明しにくい。

Computer Useに依存する処理も、即時移行の対象から外すべきだ。Gemini 3.5 FlashはComputer Use非対応と公式FAQで示されているため、画面操作やブラウザ操作を含むワークロードは、別モデルや別の実装経路を確認する必要がある。

Pro系モデルからの置き換えも慎重にしたい。Flashが速く、安く、十分に賢い場面はあるが、複雑な推論や高精度が必要なタスクでは、Pro系の評価結果を見ずに置き換えると品質が落ちる可能性がある。

判断フロー

移行判断は、次の順番で進めると整理しやすい。

  1. 現在のモデルIDを棚卸しする。
  2. shutdown dateまたはPreview依存があるかを見る。
  3. Computer Useや特殊なツール依存があるかを見る。
  4. 既存評価セットで3.5 Flash、現行モデル、候補モデルを比較する。
  5. Standard、Batch/Flex、Priorityのどれで回すかを分ける。
  6. 月額コストとp95レイテンシが許容内かを見る。
  7. feature flagで旧モデルに戻せる状態にしてカナリアを始める。

この流れなら、問いは「3.5 Flashへ切り替えるか」だけで終わらない。どの処理から、どの割合で、どの監視項目を見ながら切り替えるかまで決められる。

移行前チェックリストと検証順

Visual7ステップ移行フローモデル名の置換で終わらせず、棚卸しから監視まで順番に確認します。
  1. 11. 棚卸し

    モデルID、API経路、SDK、リージョン、認証、平均トークン、Grounding、ツール呼び出しを表にします。

  2. 22. 公式確認

    価格、ライフサイクル、対応機能、制約、推奨置換先を公開時点の公式情報で確認します。

  3. 33. 最小API呼び出し

    本番ワークロードへ入れる前に、認証、SDK、モデルID、ログ項目が通るかを確認します。

  4. 44. 評価セット実行

    成功例だけでなく、長文、曖昧な依頼、ツール失敗、安全性の境界ケースも入れます。

  5. 55. コスト試算

    入力、出力、thinking tokens、Grounding、Batch / Flex / Priorityを含めて月額を出します。

  6. 66. カナリア

    一部トラフィックで品質、p50 / p95、失敗率、4xx / 5xx、再試行、ユーザー影響を見ます。

  7. 77. 監視とロールバック

    feature flag、料金アラート、リリースノート監視、旧モデルへ戻す手順を先に用意します。

カナリアでは品質合格率、人手修正率、レイテンシ、トークン量、ツール失敗率、Grounding課金を同時に見ます。

Gemini 3.5 Flashへの移行は、モデル名の置換だけではない。API経路、SDK、課金、ログ、評価、ツール呼び出しが一緒に動くため、最初に棚卸しをする。

既存利用の棚卸し

確認項目

コード検索だけでは足りない。モデルIDは、環境変数、管理画面、ノートブック、社内ツール、CI/CD、ワークフロー、外部委託先の設定、ログ集計クエリに残っていることがある。

棚卸しでは、次の項目を1枚の表にまとめたい。

項目確認内容
モデルID現在のID、候補ID、エイリアス利用の有無
API経路Gemini Developer APIか、Gemini Enterprise Agent Platform / Vertex AI側か
SDKGoogle Gen AI SDKか、旧Vertex AI SDKか、独自HTTP実装か
認証API key、サービスアカウント、IAM、組織ポリシー
リージョンGlobalかNon-globalか、データ所在地要件があるか
トークン平均入力、平均出力、thinking、会話履歴
ツールSearch、Maps、File Search、Code Execution、URL Context、Function Calling
安全性content filters、安全設定、ブロック時の処理
コストStandard、Batch/Flex、Priority、Grounding、キャッシュ
監視p50/p95、4xx/5xx、再試行、ツール失敗率、ユーザー影響

最小API呼び出しから始める

条件

最初の検証では、いきなり全機能をつながない。まず、同じ入力を現行モデルと gemini-3.5-flash に投げ、出力形式、トークン量、レイテンシ、エラーを比べる。その後、構造化出力、function calling、Grounding、長い会話履歴、ファイル入力へ広げる。

この順序にすると、どの段階で失敗したかが分かる。最初からエージェント全体を切り替えると、モデル差、プロンプト差、ツール差、ログ差が混ざり、原因を切り分けにくい。

評価セットを先に作る

評価基準

モデル移行で一番避けたいのは、「なんとなく良さそう」で本番へ出すことだ。評価セットには、成功例だけでなく、失敗しやすい入力、長い文脈、曖昧な依頼、ツール呼び出し、禁止すべき出力、顧客影響が大きいケースを入れる。

評価セット作成の考え方は、公開済みの「Kaggle Benchmarksローカル作成の確認点:AI評価タスクをCLI、SDK、エージェントで作る前に」とも相性がよい。Gemini 3.5 Flashの採否は、外部ベンチマークだけでなく、自社の評価セットで決める。

カナリアで見る指標

確認項目

カナリアでは、品質とコストを同時に見る。品質が上がっても、出力が長くなり、Grounding回数が増え、月額が跳ねるなら、プロンプトやthinking設定を見直す必要がある。

最低限、次の指標を残したい。

  • 品質評価の合格率
  • 人手レビューでの修正率
  • p50 / p95レイテンシ
  • 入力トークン、出力トークン、thinking tokens
  • function callingの回数と失敗率
  • Groundingの回数と課金対象検索数
  • 4xx / 5xx、再試行、タイムアウト
  • セーフティブロック率
  • 旧モデルへのロールバック回数
  • 月額見込みと予算アラート

公式ソースの読み分けと更新監視

Visual公式ソースマップ確認したいことごとに、見る公式ページと本文での使いどころを分けます。
項目内容見方
発表の文脈Google公式ブログのGemini 3.5発表で、何を狙ったモデルかを理解します。
API変更点What's new in Gemini 3.5 Flashで、GA / stable、thinking、tools、FAQを確認します。
モデルIDGoogle AI for Developers ModelsとCloud model pageで、コードや設定に入れるIDを確認します。
価格Gemini Developer API pricingとGoogle Cloud pricingで、API経路ごとの料金を分けます。
停止予定Gemini deprecationsとCloud model lifecycleで、2.5 Flashなどの期限を確認します。
企業利用Gemini Developer API vs. Gemini Enterprise Agent Platformで、API key経路とCloud側統制を分けます。
制約や安全性Google DeepMind model cardで、known limitationsや評価観点を確認します。

価格、shutdown date、推奨置換先、Computer Use対応、リージョン、SDKサンプルは更新時に見直します。

Gemini 3.5 Flashのようなモデル更新では、公式ソースも役割が分かれる。ひとつのページだけを見て判断すると、発表の文脈、API仕様、価格、停止予定、制約が混ざる。

どの公式ページで何を見るか

根拠

確認したいこと主に見る公式ページ本文での使い方
発表の文脈Google公式ブログのGemini 3.5発表何を狙ったモデルかを理解する
API変更点What's new in Gemini 3.5 FlashGA/stable、thinking、tools、FAQを確認する
モデルIDGoogle AI for Developers Models、Cloud model pageコードや設定に入れるIDを確認する
価格Gemini Developer API pricing、Google Cloud pricingDeveloper APIとCloud側の料金を分ける
停止予定Gemini deprecations、Cloud model lifecycle2.5 Flashなどの期限を確認する
企業利用Gemini Developer API vs. Gemini Enterprise Agent PlatformAPI key経路とCloud側統制を分ける
制約や安全性Google DeepMind model cardknown limitationsや評価観点を読む

更新されたら見直す項目

更新時の確認項目

公開後に価格、shutdown date、推奨置換先、Computer Use対応、リージョン、Batch/Flex/Priority、SDKサンプルが変わる可能性はある。この記事を読む時点で数値が重要なら、必ず公式ページを開いて確認してほしい。

特に、価格表は頻繁に変わり得る。記事本文の数値を見て概算を立てるのではなく、公式pricingページの最新表を使って、利用予定リージョン、API経路、トークン量、Grounding、キャッシュ、Batch比率を入れた試算を作るのが安全だ。

非提携メディアとしての注記

利害関係

Alphabet Watch Japanは、Alphabet Inc.およびGoogle、その関係会社とは非提携の情報整理メディアです。本文は公式資料をもとに製品・サービス・ソリューションの確認点を整理したものであり、Google Cloud契約、投資判断、法務判断、セキュリティ判断の代替ではありません。

まとめ。移行判断はモデル名ではなく評価セットで決める

Visual導入前に答える3問Gemini 3.5 Flashを本番候補にする前に、判断材料がそろっているか確認します。
いま何を使っているか

モデルID、API経路、SDK、ツール依存、停止予定を把握しているか。

コストを読めるか

入力、出力、thinking、Grounding、Batch / Flex / Priorityを含めた月額試算があるか。

評価で比べられるか

既存評価セットとカナリアで、品質、レイテンシ、コスト、ツール失敗率を比較できるか。

導入判断はモデル名ではなく、自分たちの評価セットで品質、速度、費用、失敗率を見て決めます。

Gemini 3.5 Flashは、公式ドキュメント上でGA / stableと案内され、gemini-2.5-flash の推奨置換先にもなっている。Vertex AIやGemini APIを使う読者にとって、本番候補として検証する価値は高い。

ただし、導入判断はモデル名ではなく評価セットで決める。3.5 Flashを使う前に、次の3問へ答えられる状態を作りたい。

  1. いま使っているモデルID、API経路、SDK、ツール依存、停止予定を把握しているか。
  2. 入力、出力、thinking、Grounding、Batch/Flex/Priorityを含めた月額試算ができているか。
  3. 既存評価セットとカナリアで、品質、レイテンシ、コスト、ツール失敗率を比較できるか。

この3つがそろっていれば、Gemini 3.5 Flashは「話題の新モデル」ではなく、導入可否を判断できる選択肢になる。逆に、評価セットやロールバックがないまま全面移行するなら、モデルの性能以前に運用リスクが大きい。

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次に読むなら

参照した主な情報源

  • Google Blog, Gemini 3.5: frontier intelligence with action

https://blog.google/innovation-and-ai/models-and-research/gemini-models/gemini-3-5/

  • Google AI for Developers, What's new in Gemini 3.5 Flash

https://ai.google.dev/gemini-api/docs/whats-new-gemini-3.5

  • Google AI for Developers, Gemini Developer API pricing

https://ai.google.dev/gemini-api/docs/pricing

  • Google AI for Developers, Gemini deprecations

https://ai.google.dev/gemini-api/docs/deprecations

  • Google AI for Developers, Gemini Developer API vs. Gemini Enterprise Agent Platform

https://ai.google.dev/gemini-api/docs/migrate-to-cloud

  • Google Cloud Documentation, Gemini 3.5 Flash

https://docs.cloud.google.com/vertex-ai/generative-ai/docs/models/gemini/3-5-flash

  • Google Cloud Documentation, Model versions and lifecycle

https://docs.cloud.google.com/vertex-ai/generative-ai/docs/learn/model-versions

  • Google Cloud Documentation, Agent Platform pricing

https://docs.cloud.google.com/vertex-ai/generative-ai/pricing

  • Google DeepMind, Gemini 3.5 Flash Model Card

https://deepmind.google/models/model-cards/gemini-3-5-flash/

  • Google Cloud Blog, What Google Cloud announced in AI this month

https://cloud.google.com/blog/products/ai-machine-learning/what-google-cloud-announced-in-ai-this-month

更新履歴

Visual確認日の読み方価格やモデルライフサイクルは変わるため、確認日と再確認先を分けます。
確認日

2026年6月9日(JST)時点のGoogle公式情報でモデルID、価格、停止予定を整理しました。

再確認先

価格、shutdown date、対応機能は、公式pricing、deprecations、model lifecycleを開いて確認します。

更新対象

料金改定、推奨置換先、Computer Use対応、リージョン、SDKサンプルが変わったら本文を見直します。

この記事の数値は確認日時点の整理であり、導入前には公式ページの最新表を確認します。

  • 2026年6月9日(JST): Google公式ブログ、Google AI for Developers、Google Cloud Documentation、Google DeepMind Model Cardを確認し、Gemini 3.5 FlashのモデルID、GA/stable、価格、2.5 Flashのshutdown date、主要な互換性を整理しました。